猫や犬を見送った後に残る品は、使わなくなっても思い出が詰まっています。手放す時期はあなたが決めていい。そのうえで、私たちがどう運ぶかを書きました。
目次
私たちが運ぶのは不用品です。でも、そこに込められた思い出まで不用品だとは思っていません
猫や犬を家族として迎えた家には、その子のための物が自然と増えていきます。キャットタワー、トイレ、ベッド、爪とぎ、首輪、散歩のリード、お気に入りのおもちゃ。その子が年を取り、やがて見送った後、それらは「使わない物」になります。けれど、使わない物と、要らない物は違います。この記事は、ペットの思い出の品を手放すかどうか迷っている方に向けて、不用品回収の仕事をしている私たちが、どう考えて、どう運んでいるかを書いたものです。
窓辺に残ったキャットタワー。柱の麻ひもは、爪とぎで芯まで削れていました。
猫のいない部屋に、キャットタワーだけが残る
キャットタワーは、部屋の中でいちばん大きなペット用品です。猫がいた頃は、そこで寝て、爪を研いで、上から家族を見下ろしていました。猫がいなくなった後も、タワーは同じ場所に同じ高さで立っています。通るたびに目に入り、ふと上を見てしまう。そういう品です。
トイレも同じです。猫砂の袋がまだ半分残っている。ベッドには毛が付いたままになっている。片付けようと思えば一日でできることが、何か月もできない。それは、怠けているのでも、整理が苦手なのでもありません。
捨てられないのは、物ではなく時間だから
キャットタワーを手放すことは、タワーという物を手放すことではなく、そこで過ごした時間に区切りをつけることになってしまう。だから手が止まります。
- 手放したくない人は、手放さなくていい。思い出の品を残すことは、何も間違っていません。
- 手放すと決めた人も、悲しさや後ろめたさを感じるのは自然なことです。
- 「まだ決められない」も、立派な答えです。
私たちは、どの選択も正しいと思っています。この記事で「早く片付けましょう」と言うつもりはありません。
私たちも、猫と犬と暮らしています
やるよのスタッフには、猫や犬と暮らしている者が何人もいます。休憩中の話題は、たいてい自分の家の子のことです。
この記事を書くきっかけになった責任者は、猫を2匹飼っています。あるとき、そのうちの1匹が家から出てしまい、丸一日見つかりませんでした。家族で近所を探しながら、もう会えないかもしれないと思った時間、部屋に残されたおもちゃや爪とぎを見るたびに、不安と悲しさが増していったそうです。猫は無事に戻りました。けれど、その一日で、「この子の物」が家族にとってどれだけ重い意味を持つかを、身をもって知ることになりました。
ペット用品を運ぶ仕事をしている私たちが、お客様の気持ちを少しでも想像できるのは、自分たちにも同じ思いがあるからです。
守山区のお宅で、キャットタワーを分解した日
名古屋市内にお住まいの、40代から50代の女性からご相談をいただきました。猫が使っていたキャットタワーと、大きな猫用トイレを引き取ってほしい、というご依頼です。
キャットタワーは玄関を通らない大きさだったため、お部屋で分解してから運び出しました。作業の途中、お客様がタワーの部材が運び出されていくのを、黙って見ていらっしゃることに気づきました。そして、もう猫はいないのだと、静かに話してくださいました。
スタッフは手を止めて、その猫が、きっと大切にされて幸せだったと思う、と伝えました。部屋の様子とタワーの使い込まれ方を見れば、どれだけ可愛がられていたかは分かります。お客様の猫のことを、私たちは何も知りません。でも、その日その部屋で感じたことを、そのまま言葉にしました。
その後の作業は、いつもと同じ手順で、いつもより少しゆっくり進めました。運び出す品が「不用品」であることは変わりません。でも、それをどう扱うかは、私たちが決められます。
運び出した後の窓辺。作業は1名・約30分でした。
この日の作業の内容は、事例ページ「守山区・キャットタワーと猫用トイレの回収」にまとめています。
ご相談いただけるペット用品(猫・犬)
ペットを見送った後に残る品で、ご相談いただくことが多いものです。素材が混ざっている大型の品(キャットタワー・ケージ・サークル)は、自治体の粗大ごみに出す場合も分解や分別が要るため、まとめてのご相談が多くなっています。
猫
- キャットタワー・猫用トイレ・猫用ケージ・猫用ベッド・爪とぎ・キャットハウス・キャリーバッグ・おもちゃ
犬
- 犬用ケージ・ペットサークル・犬小屋・犬用ベッド・ペットカート・ペットキャリー・首輪・リード・犬の服・おもちゃ
共通
- 食器・給水器・未使用のトイレシート・毛布やタオル類
フードや猫砂の残り、使用済みのトイレシートなど生ものや汚物にあたるものはお引取りできません。自治体の燃えるごみの区分で出してください。そのほかの品は、素材や状態をお聞きしたうえでご案内します。自治体の粗大ごみや資源に出す場合の分け方は、「ペットケージ・ペット用品の処分方法」にまとめています。
遺品整理でも、同じ考え方で運んでいます
やるよは遺品整理の仕事もしています。亡くなった方の衣類や日用品を運び出すとき、ご家族にとってそれが「物」ではないことを、毎回の現場で教わってきました。ペットの思い出の品を運ぶときの考え方は、そこから来ています。
運ぶものが人の物でも、猫や犬の物でも、誰かが大切にしていた時間が残っていることに変わりはありません。私たちは、それを丁寧に運ぶ仕事をしていると思っています。
手放す時期は、あなたが決めていい
キャットタワーを今日手放す人もいれば、一年後の人もいます。首輪だけは残して、あとは手放す人もいます。どれも正しい選択です。
もし、手放すと決めたときに、自分で分解して運ぶのがつらいと感じたら、そのときにご相談ください。その子の物を、その子が大切にされていたのと同じように扱います。急がせることはしません。日程も、お客様の気持ちの準備に合わせます。
まとめ
- ペット用品は「使わない物」になっても「要らない物」ではない。手放さない選択も正しい。
- 捨てられないのは、物ではなく、その子と過ごした時間に区切りをつけることになるから。
- やるよのスタッフも猫や犬と暮らしていて、同じ気持ちを知っている。
- 守山区のお宅でキャットタワーを分解して運んだ日、私たちは手を止めて、お客様の猫のことを思った。
- キャットタワー・トイレ・ケージなど大型の品は、分解と分別が要るためまとめてご相談いただくことが多い。
- 手放す時期は、あなたが決めていい。決めたときに、ご相談ください。










